在校生から受験生へ

2021年2月の記事一覧

食品化学科長の伊藤先生にも聞いてみた!

Q1:食品化学科とはどんな学科ですか?

 ここは食品の加工を学ぶ学科です。加工するとすぐ腐ってしまう食品も数年にわたって保存が出来るようになります。パンや牛乳、ジャム、味噌、ハム、ベーコン等は食品加工の分野なんです。

 1年生の時は「慣れて体験する」が学科コンセプトです。

 「農業と環境」では授業中で皆さんには畑に出て、大豆とダイコンとトウモロコシを実際に作ってもらいます。株式会社カゴメと連携して加工用トマトも作りますよ。「総合実習」では授業ではイチゴジャム、リンゴジャム、ジャム、パン、ジュース等の農産物加工を行います。「食品化学実験」では豆乳ににがりを入れて凝固作用(タンパク質の変性実験)と小麦粉からグルテン(弾力を生み出す成分)抽出等を学びます。基礎実験として中学の復習もかねて食酢の中和実験(酸度測定)や糖の分解実験、ヨウ素でんぷん反応、それを出量濃度計算やmol濃度の計算方法を学びます。

 2年生の時は「考える学習」がコンセプトです。

 1年生で慣れたことで、2年生では「なんでそうなるの?」を理解する時期です。加工技術、実験は1年生よりもワンランク上のことを学んでいきます。味噌作り、牛乳加工、ハムベーコン、更に1年生の時に行ったジャム、パン、ジュースも行います。実験ではタンパク質と脂質とミネラルの分析実験を行います。

 3年生の時は「身に着ける学習・想像力を備える学習」がコンセプトです。

 課題研究と総合実習を1・2年次に行った授業内容から自分の課題研究のテーマを設定し、自ら進めていきます。今年度のテーマを一つ紹介します。一つ目が地元のセリの加工品をフリーズドライ化(お湯をいれて完成)してトマトせり鍋を作りました。二つ目が食品(ペアミント、ペパーミント、ローズマリー、レモン)から色素や香料を抽出しました。抽出したものにグリセリンとエタノールを入れて化粧水も作りましたよ。

 この学科は50%以上が進学します。就職先としても食品加工業、小売店が多いです。食品関係ではHACCP(衛生管理)という資格を取ることが義務化されています。購入する消費者に対してお金をもらって販売するので信用されたものを作らなければなりません。学校はHACCPと同等の衛生管理を徹底して安心したものを作るようにしています。将来、加工はもちろん調理系に進みたい生徒は業者よりも厳しいレベルの衛生管理を学ぶことができるのでお勧めしますよ。

 

写真:生徒達に分かりやすく教える伊藤先生

 

Q2:どんな人に受験してもらいたいですか?

 「食べることが好き」「料理することが好き」というように誰かに何かを作って喜びを感じる人が向いている学科だと思います。実習の半分は加工実習と食品化学実験になります。実験が好きな人も向いています。加工実習によって自分が作ったもの成分がどれくらい含まれているのか食品化学実験で明らかにしていくという流れです。作るだけではなくて最後まで責任を持つことが食品には求められます。例えば、大豆を作り、味噌を作り、販売するという6次産業化を学べます。

 基本的に他の学科取得できる免許は全て取れます。学科として取らせたい資格は農業技術検定、危険物取扱者、毒劇物取扱者の3点で、全員がとれるように指導します。将来、食品関係で使う確率が高く、就職した場合には手当として給料も高くなる可能性がある資格です。出来るだけ多くの資格を取らせます。

 受験のアドバイスとしては入試となると5教科の点数が重要になってきます。一科目だけ高得点でもダメです。全ての教科で点数がとてるようにしてください。また、面接もあるので、自分の素直な気持ちを表現できるようにして欲しいです。

 受験生の皆さんお待ちしております。頑張ってくださいね。

写真:生徒の食品(ペアミント、ペパーミント、ローズマリー、レモン)から作った化粧品を実際に試してみる伊藤先生。

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生活科長の小島宗工先生にも聞いてみた!

Q1:生活科とはどんな学科ですか?

 生活科は主に調理・福祉・保育・服飾手芸を中心に学んでいます。

 農業では1年生からエダマメやダイコン等の栽培を行い、野菜の栽培について学びます。

  調理では家庭の中で栄養バランスが良く、食を楽しんで食べることができるような献立を考えたり、実際に自分で作れるように指導し、調理技術検定にもチャレンジすることが出来ます。

 12月にはブッシュドノエルのケーキを作りますよ。オリジナルお弁当を作りも行い生徒は「すごく美味い」と喜ぶ生徒の姿が印象的でした。

 福祉では家庭介護を中心に家庭看護や、社会の福祉制度について学んでいきます。外部講師に来校して頂き、認知症サポーター養成講座や訪問入浴介護の授業を受けることができます。授業の中でペアになってお互いを介護したり、ベットメイキングなどリアルな経験ができます。特に訪問入浴では男子生徒が実際に入浴し、とても気持ちよさそうに介護を受けていました(笑)。

 保育では家庭での保育を学んでいきます。実際に赤ちゃん人形を使って抱き方や哺乳の仕方を教えます。保育技術検定にも挑戦することができるので、折り紙や絵本の読み聞かせも学びます。

  服飾手芸では、刺繍やジンベイ、エプロン作りを通して服飾技術や知識を学んでいきます。1年次に自分で作ったエプロンを使って3年間実習に使用します。

  1年生の時は以上の家庭全般の基礎を学ぶことができます。2年生になると自分の進路に合わせて①福祉・服飾手芸、②調理の2つからコースを選択してより専門的に学ぶことができます。保育についてはコースとは別の選択科目として学ぶことができます。

 保育や調理に興味がある人は進路実現について基礎的なことが学べる学科ですね。

 生活科の農業学習ではサツマイモを育て、毎年幼稚園や保育園の芋ほり遠足を受けて入れています。生徒たちは畑の準備や、苗の植えつけ、雑草抜きを行って、秋の芋ほり遠足受け入れの準備を進めます。

 遠足では4000人を超える園児が来校し、生徒たちは園児の芋ほりを手伝いながら一緒に楽しみながら学ぶことができます。

  3年生になると課題研究があります。これは生徒たちが自分たちで課題を設定し自ら計画を立てて学ぶ授業です。今年は老人介護保健施設で園芸交流会や、伝統野菜の保全活動、セロリの栽培、健康に気を付けた献立作り等、身近な課題を解決するために一生懸命に取り組んでいました。興味を持った人たちは生活科で学んで欲しいと思います。

写真:授業準備に資料作りを行う小島先生

 

Q2:どんな人に受験してもらいたいですか?

 自分の目標に前向きに取り組む人たちに受験して欲しいと思います。自分たちの将来の夢に向かって生活科で何かを学びたいと思う人を、私達は全力でサポートするので皆さんの受験お待ちしています。

 保育や福祉、調理に興味を持っている生徒が多いので、卒業した後にその場所に就いていく生徒ばかりです。だからこそ初めから何を学びたいかを明確にすることが大事ですね。

 学校生活ではコミュニケーションを持つことが最も大事です。実習では地域での販売実習や、介護実習、保育園児の芋ほり遠足など外部の方々との関わりを多く持ちます。その中で相手の為にどう自分が行動できるかを大切にして、相手の話をよく聞いて、相手のために行動出来る人に育って欲しいと思います。

 明確に自分の入る目標を持ってください。そしてなんといっても基礎学力は必要ですので、自分に負けないで勉強もしっかりした上で受験してください。

 新型コロナウイルスも蔓延しているので、皆さん体に気を付けて受験してくださいね。

写真:授業の中で制作したハーバリウム

写真:生徒の作った物を一つ一つ確認しながら評価をつける小島先生

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