園芸科情報

【農業・園芸科】顕微鏡下で挑む0.5mmの世界 サツマイモの茎頂培養【植物バイオ部門】

投稿日時: 07/28 hag-to

7月28日(火)、植物バイオテクノロジー部門では、サツマイモの茎頂培養に取り組みました。

はじめに、圃場で生育しているサツマイモから、培養材料として使用する苗を採取しました。茎頂培養では、その後の培養に適した状態の材料を選ぶことが重要です。生育の様子を確認しながら、先端部を丁寧に採取しました。

採取した苗は実験室へ運び、葉や茎を取り除きながら、殺菌や茎頂の摘出を行いやすい大きさに調整しました。圃場から持ち込まれる土や微生物をできるだけ減らし、無菌操作へつなげるための大切な前処理です。

続いて無菌室へ移動し、調整したサツマイモ苗の表面殺菌を行いました。植物体の表面には、目には見えない細菌やカビが付着しています。培養中の汚染を防ぐため、処理時間や薬剤の扱いに注意しながら作業を進めました。

表面殺菌後は、クリーンベンチ内に顕微鏡を設置し、茎の先端にある成長部分「茎頂」を摘出しました。今回切り出した茎頂の大きさは、わずか約0.5mmです。茎頂には、活発に細胞分裂を行う茎頂分裂組織が含まれています。周囲の組織を少しずつ取り除き、生長点を傷つけないよう慎重に切り出しました。摘出した茎頂は、培地へ置床しました。

茎頂培養は、ウイルスフリー苗を育成するために利用される技術の一つです。茎頂付近は、植物体のほかの部分と比べてウイルスが存在しない、または濃度が低い場合があります。そのため、茎頂を小さく切り出して培養することで、ウイルスに感染していない苗を得られる可能性が高まります。顕微鏡観察、表面殺菌、無菌操作、約0.5mmの組織の摘出、培地への置床と、複数の技術を正確に組み合わせる茎頂培養は、本校で学ぶ技術の中でも、特に高度な技術の一つです。

茎頂の殺菌から培養までの工程は、タイムラプス動画にまとめました。わずか0.5mmの成長部分を扱う、繊細な実験操作の様子をぜひご覧ください。タイムラプス動画はこちら