在校生から受験生へ

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食品化学科長の伊藤先生にも聞いてみた!

Q1:食品化学科とはどんな学科ですか?

 ここは食品の加工を学ぶ学科です。加工するとすぐ腐ってしまう食品も数年にわたって保存が出来るようになります。パンや牛乳、ジャム、味噌、ハム、ベーコン等は食品加工の分野なんです。

 1年生の時は「慣れて体験する」が学科コンセプトです。

 「農業と環境」では授業中で皆さんには畑に出て、大豆とダイコンとトウモロコシを実際に作ってもらいます。株式会社カゴメと連携して加工用トマトも作りますよ。「総合実習」では授業ではイチゴジャム、リンゴジャム、ジャム、パン、ジュース等の農産物加工を行います。「食品化学実験」では豆乳ににがりを入れて凝固作用(タンパク質の変性実験)と小麦粉からグルテン(弾力を生み出す成分)抽出等を学びます。基礎実験として中学の復習もかねて食酢の中和実験(酸度測定)や糖の分解実験、ヨウ素でんぷん反応、それを出量濃度計算やmol濃度の計算方法を学びます。

 2年生の時は「考える学習」がコンセプトです。

 1年生で慣れたことで、2年生では「なんでそうなるの?」を理解する時期です。加工技術、実験は1年生よりもワンランク上のことを学んでいきます。味噌作り、牛乳加工、ハムベーコン、更に1年生の時に行ったジャム、パン、ジュースも行います。実験ではタンパク質と脂質とミネラルの分析実験を行います。

 3年生の時は「身に着ける学習・想像力を備える学習」がコンセプトです。

 課題研究と総合実習を1・2年次に行った授業内容から自分の課題研究のテーマを設定し、自ら進めていきます。今年度のテーマを一つ紹介します。一つ目が地元のセリの加工品をフリーズドライ化(お湯をいれて完成)してトマトせり鍋を作りました。二つ目が食品(ペアミント、ペパーミント、ローズマリー、レモン)から色素や香料を抽出しました。抽出したものにグリセリンとエタノールを入れて化粧水も作りましたよ。

 この学科は50%以上が進学します。就職先としても食品加工業、小売店が多いです。食品関係ではHACCP(衛生管理)という資格を取ることが義務化されています。購入する消費者に対してお金をもらって販売するので信用されたものを作らなければなりません。学校はHACCPと同等の衛生管理を徹底して安心したものを作るようにしています。将来、加工はもちろん調理系に進みたい生徒は業者よりも厳しいレベルの衛生管理を学ぶことができるのでお勧めしますよ。

 

写真:生徒達に分かりやすく教える伊藤先生

 

Q2:どんな人に受験してもらいたいですか?

 「食べることが好き」「料理することが好き」というように誰かに何かを作って喜びを感じる人が向いている学科だと思います。実習の半分は加工実習と食品化学実験になります。実験が好きな人も向いています。加工実習によって自分が作ったもの成分がどれくらい含まれているのか食品化学実験で明らかにしていくという流れです。作るだけではなくて最後まで責任を持つことが食品には求められます。例えば、大豆を作り、味噌を作り、販売するという6次産業化を学べます。

 基本的に他の学科取得できる免許は全て取れます。学科として取らせたい資格は農業技術検定、危険物取扱者、毒劇物取扱者の3点で、全員がとれるように指導します。将来、食品関係で使う確率が高く、就職した場合には手当として給料も高くなる可能性がある資格です。出来るだけ多くの資格を取らせます。

 受験のアドバイスとしては入試となると5教科の点数が重要になってきます。一科目だけ高得点でもダメです。全ての教科で点数がとてるようにしてください。また、面接もあるので、自分の素直な気持ちを表現できるようにして欲しいです。

 受験生の皆さんお待ちしております。頑張ってくださいね。

写真:生徒の食品(ペアミント、ペパーミント、ローズマリー、レモン)から作った化粧品を実際に試してみる伊藤先生。

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