在校生から受験生へ

農業機械科長の戸村裕太先生にも聞いてみた!

Q1農業機械科とはどんな学科ですか?

 農業機械科では物作りに必要な基礎知識や技術を身につけ、実際に工具や工作機械を使用して形あるものを制作します。その他にトラクターと呼ばれる農業機械の整備や運転についても学びます。ガソリンエンジンやディーゼルエンジンの分解・組立の実習もあるので、自動車関係に就職を希望する生徒に対しても基礎的知識や技術が習得できます。

 旋盤実習では材料を切削してネジや部品を製作します。溶接実習ではアーク溶接、ガス溶接で、ペン立てや写真立てなどを製作します。出前授業で企業の方に来ていただきガス管の溶接技術を学びます。CAD実習ではコンピューターを使用して図面を作ることができます。その図面はネジ、歯車等の物作りの基本なので、作る前に必ず作成してから加工を始めます。二次元の図面と立体的な三次元の形状を全員が習得できることを目標にしているので、生徒はみんな必ずできるようになります。

1年生では旋盤、溶接、ガソリンエンジンの分解・組み立て、塵取りの製作です。

2年生では旋盤、溶接、ディーゼルエンジンの分解・組み立て、テスターの製作です。

3年生では手動のジャッキを制作しています。CADとトラクターの整備・操作も学びます。また、課題研究では「物作り班」、「整備班」、「電気電子班」、「植物工場班」の4班編成で分かれ、自分達の課題に合わせて研究をしていきます。最終的に農業機械科の課題研究発表会で後輩に向けて1年間集大成を発表します。

 農業機械科の魅力は自分の手で作り上げることが一番楽しいと思います。また、ガス溶接、アーク溶接、フォークリフト、玉掛け、小型移動式クレーン、計算技術検定、危険物、ボイラー等の資格取得も可能なので就職に有利です。

 授業では大きなケガに繋がる工作機械を使った実習もあるためにミスが許されません。失明、骨折、切断、火傷の危険性があります。もちろん、過去にそんな事故を起こしたことはありませんが、生徒を守るためにも私達の話をしっかり聞いて授業で実践できる教育を目指しています。安全教育に一番の趣をおいているということですね。

写真:熱い想いで農業機械科のことを教えてくれた戸村先生。

 

Q2:どんな人に受験してもらいたいですか?

 物作りや整備に興味があってそれを将来の職業と考えている人は受験して欲しいですね。自動車整備を目指す人もいれば、農業機械整備に携わる生徒も沢山います。

 学科では最後まで諦めずにやり通せることを大事にしています。中学時代に諦め癖ある人でもここにくれば変わることができますよ。体験したことがないことを実習できるので、新たな目標を見るけることができると思います。

 農業機械科では農業に関する授業は1年生のみです。2年生から農業科目は無く、それを知った上で物作り、整備、農業機械について学習していくというカリキュラムになっています。

 受験のアドバイスとしては面接では農業機械科で取得できる資格や、実習内容は言えるようにして欲しいです。農業機械科は特に理数系の教科が必要になりますので、苦手であると入学してからも苦労しますよ。基礎学力はつけておいた方がいいと思います。自分がこれから学ぶ授業の内容くらいは知った上で受験に取り組んで欲しいですね。

 学科では色々な生徒とペアを組んで実習をするのでコミュニケーション力がつきます。時間を守る、物を大切にする、挨拶、礼儀というのも「物作り」をする上で必ず身につけさせます。機械関係の職場では整理、整頓、清掃、清潔、躾(しつけ)の5Sをベースにしています。5Sを徹底することで良い作品や、安全面の強化にも繋がるので本校でも大事にしています。

 また、報告、連絡、相談を徹底しています。学科では「物作りは人づくり」と生徒に伝えているので、技術も重要ですが、人間性を伸ばすことは重視しています。皆さんが未経験者なので基本的なことから教えていくので、今まで興味が無かった生徒でもしっかり身につくので安心して受験してください。

写真:農業機械科の5Sを授業で生徒に伝える戸村先生。