学校でもいよいよ田植えがはじまりました。田植えの作業は苗を育てたり(育苗)・苗を運んだり,とても重労働となります。本校では低コスト・低労力を目指しての実験をしています。今回,その取り組みを紹介したいと思います。
水稲の栽培方法は,種子を直接水田にまく「直播(ちょくはん)栽培」と苗を水田に植え付ける「移植栽培」に分けられます。日本では水田面積の98%が移植栽培です。移植栽培では育苗(苗を育てること)を行いますが,「苗半作(なえはんさく)」という言葉があるように苗づくりは田植え後の稲の生育や収量を左右する重要な作業です。
1.「直播(ちょくはん)栽培」
直播栽培は,育苗をせずに種子を直接圃場に播種する栽培方法です。種子を鉄コーティングすることで,鳥害の軽減や浮き苗の発生という問題を解消する技術です。移植栽培と比べ,育苗作業・苗運搬が不要で約60%の労働時間の短縮が可能となることから,移植と直播を組み合わせることで栽培面積を増やすことができます。
2.「移植栽培」
※高密播種技術
移植栽培は皆さよく目にする全国的な普通栽培方です。育苗箱にイネの種子を播種する時,通常(慣行栽培)1箱あたり140g~180gを蒔きますが、本校では高密度播種苗として1箱あたり230g~250g播種することで田植え時の10aあたりに使用する苗箱の数が半分に軽減することができる技術を採用しています。そのために育苗にかかる経費・労力も軽減することが可能となりました。
10aあたり 通常→苗箱20枚程度
高密度播種苗→苗箱10枚程度
(田植え)高密度播種苗栽培用に苗取り板・爪の一部を改良(アタッチメント取付)
学校の田植機は田植機について
一回の作業でできること
1.苗を植える(一株5本程度)
2.側条施肥(苗の横に肥料散布)
3.箱処理剤散布(殺菌殺虫剤)
4.除草剤散布(雑草抑制)
5..回転マーカー線,まっすぐ植える
6.ローラーで平らに均す
学校では様々な3つの栽培法、10種類の品種を作付けして実験と研究を行っています。